Topics2021/06/10

重さを測り、中心を探そう(重量・重心測定)

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皆さんは毎年、健康診断なるものを受け、色々な結果に一喜一憂?していると思います。特に体重については・・・。
飛行機の場合は、体重ではなく、重量と言います(当たり前ですね)。そして飛行機は、重量・重心測定を行わなければならないという決まりがあります。これは、実際に飛行機の重さを測り、重心位置を求めます。実施間隔は、前回の実測の日から3年が経過したら、次の飛行までに、自重と重心位置を実測して、記録を保持しなければなりません。また、自重や重心位置に影響を及ぼす様な修理や改修を行った場合には、計算又は実測して変化を速やかに反映しなければなりません。
人間のように自分で体重計の上に乗ることはできないので、飛行機用の体重計のようなものにのせてあげなければなりません。大きな飛行機だと大変ですね。
実際の作業は、飛行機の整備マニュアルに従って重さを測り、重心位置を求めます。

先程から重量とか重心位置などという言葉が出てきますが、そもそもこれらはいったい何なのでしょうか?
先ずは重量ですが、飛行機の場合、ひとくちに重量といっても、色々な重量があります。詳細は割愛しますが、大型機の場合、
最大離陸重量
最大タクシ重量
最大飛行重量
最大着陸重量
最大ゼロ燃料重量
があります。全部“最大~”ですね。

次に重心位置です。飛行機をぶら下げたときに前後に傾かない点がどこかに存在します。その点を重心といい、その場所を重心位置といいます。この重心位置ですが、乗客、貨物、燃料の量や位置によって移動します。(後退翼の飛行機では、飛行中の燃料消費によって重心位置の移動がはっきり表れます。)
このように重心位置はいろいろな影響によって自由?に移動しますが、これを放置しておくのは具合が良くありません。代表的な例を挙げると、前方にあり過ぎれば、離着陸の時に機首上げ操作が難しくなります。後方に行き過ぎると、飛行中は、機首が上がりやすいので失速に入りやすく、地上では、前輪にかかる荷重が減少するので、しりもちを起こしやすくなります。
そこで、重心を見つけて、移動する許容範囲を設定します。この範囲以内であれば、重心位置が移動しても、問題なく操縦、操作が行えます。
重心位置の表示方法は、基準線(飛行機の決まった場所)からの距離で示す方法と、*MAC(空力平均翼弦)の%で示す方法があります。

*空力平均翼弦(MAC : Aerodynamic Mean Chord):その翼の空力的特性を代表する**翼弦。
**翼弦:翼の先端と後端を結んだ直線。