Topics2022/08/25

驚異の代入法

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今年刷新した1年生の航空工学概論でのお話です。
そんなに難しくない演習問題なんだけど、結構な数の1年生が間違えることがありました。その原因を探っていくと、中学数学に行き着きました。
複数の数式から代入を繰り返して未知な係数を順番に消していけば良いだけの問題ですから、源流は中学数学の連立方程式です。中学で連立方程式がどのように教えられているかを調べてみると、あることに気付かされます。
それは代入法と加算法です。
ところが、2次関数や三角関数が出てくるともはや「加算法」は無意味で、「加算法」の本質は「代入法」と同じです。ところが「代入」の概念をいきなり教えるのが難しいから「加算法」という一見分かりやすそうな手順に名前を付けたようです。
実は「代入」の概念が確立したのは、たった400~500年前のことらしいのです。代入の概念には、数学記号「=」が前提となりますが、数学記号「=」 が「発明」されたのは460年前。つまり、16世紀より以前の数学者は「代入」という概念を持っていなかった。
ロバート・レコード - Wikipedia
たかが「代入」、されど「代入」。