日本文理大学 航空宇宙工学科では、三菱重工業株式会社 宇宙事業部からの奨学寄付金で、液体式ロケットエンジンの極低温推進薬の流量を制御するバルブの研究を始めました。
実機の推進薬は液体酸素や液体水素、液化メタンといった極低温ですが、基本的な流動特性は常温の水やガスを使用して評価することができます。
今回は大学でも実施可能な条件として、1MPa、1Litter/secの条件で水流し試験ができる装置を構築し、データの取得を始めました。
バルブ弁体の動きを可視化して動的挙動のメカニズムを解明できる仕組みも作りました。今後、計測システムの改良や供試体設計の変更を行いながら、簡素構造と高信頼性を両立するバルブの設計に役立つデータを蓄積していきます。
先々は、バルブに限らず液体ロケットエンジンを構成する要素技術に関して、地方大学でも成果を上げられるような研究テーマを設定して、学生にも取り組んでもらう予定です。