航空宇宙工学は、ロマンと極めて緻密な学問が交差する世界です。学部から博士課程までの道のりは、まさに「高度を上げながら、自分だけの未踏の領域へ飛び立っていくフライト」のようなものです。
そんな領域に挑戦している先輩、澤井 響さんが、進路選択を控える学生に講義をしてくれました。
学士課程では、膨大な基礎学問との格闘。流体力学、熱力学、材料力学、推進工学、そして制御理論。航空宇宙を理解するために、数学と物理という「世界共通の言語」を頭へ叩き込む。さらに、様々なシミュレーションや実験、卒業研究で「未解決の課題」に小さく触れ、憧れが、「工学」という地に足のついた学問に変わった離陸の準備と滑走の時間。
大学院に進学し、研究のギアが一気に上がり、与えられた問題を解く段階は終わり、「何が分かっていて、何が未解明なのか」を見極めるフェーズへ。
学会発表、論文執筆、予期せぬ実験の失敗、徹夜でデータの解析。数値一つ、パラメータ一つに対する妥協のない厳密さを叩き込まれる。巡航高度への上昇と専門性を獲得する時間。
そして現在。指導教員のプランに従って飛ぶフェーズは完全に終わり、自ら「問い」を立て、自ら「解」を導き出し、知のフロンティアをほんの数ミリだけ外側に押し広げるフライトへ。
学部の頃に思い描いていた「宇宙や飛行機が好き」という情熱は、幾多の数式やデータ、失敗と成功の積み重ねを経て、いまや揺るぎない「研究者としての誇り」へと昇華されているはずです。
0120-097-593