ハンドディップアイスクリームやソフトクリームを注文すると、カップですか?コーンですか?と店員さんに聞かれますね。(カップORコーン)
機械工学や航空宇宙工学では「カップ&コーン」と言えば、金属の丸棒を引っ張った時にできる破断面を指します。
航空工学実験1の材料試験では、引張試験を行います。
試験後の破断面を見てみるとコーヒーカップのように丸底になっているけど、外周部は垂直に立っているのではなくて、コーン(円すい)形状になっています。だから、カップORコーンではなく、カップ&コーンなのです。
機械系の工学部出身者なら、一度は見たことがある代物だけど、どうして、こんな形になるのかその理由を考えたことがある人は、あんまり居ないらしいです。
このカップ&コーンができる物理メカニズムを考えることが、ある実際の問題を解決するヒントになった事があったようです。
航空機製造メーカ出身の先生によると、『航空機搭載品で起こった実際の問題で、なかなか解決のヒントが見つかりませんでした。そんな状況で、丸棒の引張試験で、なぜ、カップ&コーン形状で破断するのか考えることが突破口を開くヒントになった』ようです。
その先生も、学生時代に日本文理大学の学生と同じように引張試験をやったらしいのですが、カップ&コーン形状ができる理由なんて、その時は考えもしなかったようです。
日本文理大学の航空宇宙工学科には、メーカ出身の先生が多いので、単なる基礎だけではなく、その基礎が実際の問題にどのように関係していくかを教えてくれます。これは、他の大学ではなかなか経験できないことだと思います。