Topics2022/02/01

メロンとリンゴで航空機設計⁉

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『航空機設計』と聞くとなんだか難しそうな感じがしますよね。
『航空機』なる空中を飛び回るものを『設計』するのですから
簡単な訳がありません。
難解な理屈や複雑な計算を行わなければならないことが容易に
想像できてしまいます。
想像できてしまうんですが、もしかしたらそれって単なる
思い込みかもしれません。
もし思い込みならもっとやさしい方法で解決できるのではないかと・・・・・

航空機設計の講義で、NASAの研究者による空飛ぶクルマの概念設計結果を
リバースエンジニアリングする演習を実施しました。
揚抗比(横軸)、翼面荷重(縦軸)を変えた場合の機体重量変化を等高線で表したマトリックス・プロットがどんな数式で構成されているかを逆算できないかというチャレンジです。
年末に類似の演習をやった際に出来が悪かったことを受け、担当教員が
考えたこの日の練習問題は「メロンを2個、リンゴを3個、買ったら・・・」
という中学数学?? 
結果は、練習問題を経ることで、多くの学生がマトリックスプロットの計算式を
明らかにすることができました(手書き部分は、とある学生の演習結果です)。
航空機設計の本質は、この例に限らず、航続距離要求を満たすためにどれだけの
燃料(電池)を搭載しなければならないか?です。この本質問題は足し算で表されるので、空気力学の理論に基づいて変数を集約していくと、最後は中学数学と同じような連立方程式に集約されるんですね。
(空気力学の話は:2011/11/24ボーイング社の空力技術者に肉薄せよ‼を参照)
エンジニアリングでは、道具として数学を使います。その数学は、三角関数、微分積分、複素数・・・と難しい数学を駆使する場合もありますが、足し算、掛け算で表される場合もある訳です。本講義を受講した学生は、このように問題をシンプルに見極めていくことが大切だということを実感できたのではないでしょうか。