Topics2023/03/02

人工衛星の服

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人工衛星が飛んでいる宇宙は、それはそれは過酷な環境です。
例えば温度。人工衛星の表面は太陽光にさらされている面で200℃、
陰になっている面はなんと-180℃にもなってしまいます。180℃ではありません。
マイナス180℃ですよ!
人工衛星の中身がそんな温度になってしまってはあっという間に故障してしまいます。そこで登場するのがこの人工衛星用の服でMLI(多層断熱材)と言います。僅か1~2ミリメートルの厚さしかありませんが、人工衛星を覆うことで内部を±40℃程度に抑えます。すごいですねえ。

提供してくださったのは、業界では知らない人はいないオービタルエンジニアリングさん。とっても個性的で元気な社長さんに率いられた小粒でもピリリと辛い企業さんです。

お許しいただき中味をカットしてみました。興味津々・・
いやあすごいねえ・・・実に細かい・・・
白い外側の布こそ(これ、ガラス繊維でできてます)少々厚めですが、中のアルミ蒸着された10層ほどのフィルムと、その間にあるネット、どれも極薄! 全部で24枚あるんですが、全部合わせて厚さ1~2ミリメートルなんです!
周辺は丁寧に特殊な糸で縫ってあります。裏側にあるマジックテープも縫い付けてあります。これが人工衛星外表面に接着された相手方のマジックテープにくっつくことで、MLIはずれることなく人工衛星に取り付けられます。

さっそく大学の宇宙関係の展示エリアに置かせてもらうことにしました。
皆さん、ぜひ実物を見に来てくださいね。